石垣島などに行ってきた2019【その4〜最終回】

最終日 沖縄プチ楊太会

 

本島に帰ってきた次の日はだいぶ遅くまで寝た。
結局石垣島から帰ってきてから再び沖バナさんの親戚宅にリターンしてまた泊めていただき(本来ならこの最終日だけ邪魔するはずだった)沖バナさんのお祖父さまお祖母さまにお礼を申し上げ、彼女の淡い桃色のラパンで10時ごろ出動。
この車の色は覚えておかれたい。

 

今日は私の知るもう一人の沖縄楊太人、梓ゆきさんに会いにゆく。
梓さんは昔っからの付き合いで、もともと楊太と太乙受けの絵描きさん。ちなみにおかげさまで皆様に愛されている「APE」は元々梓さんのリクエストから広がった話である。

っていうかそういや実は私がこっそり運営している殷郊botのアイコンも梓さん作じゃん。
そんなわけでかなりお世話になっている人なのだが、ここ数年はご無沙汰していたので、お会いするのが楽しみだった。

 

待ち合わせはどこかコロニアルスタイルめいた調度がかわいい、歴史ある洋食屋さん「ローズガーデン」。
擬人化するなら上品でどこかかわいい老婦人といった店構えで、狭い店内いっぱいにお客が詰め込まれていてもなんだか落ちつくお店。もちろん掃除は行き届いている。
カーナビに惑わされてまたまた迷ったが、なんとか辿り着いた。(なんかナビが強硬に通行止めの道を通れって言ってきたんだよ)
お手頃なメニューは豊富でどれもおいしそう。トースト付オムレツと、グリーントマトのフライをチョイスしました。
グリーントマトのフライは青臭さも全くなくしっとりジューシー、どこかほくほくとした食感もあって、私が今後トマトの植物図鑑を編纂するなら「未熟果の食味良」と書くだろうな〜!と思いましたね。
トースト付オムレツも、オムレツの具の種類がベーコンやソーセージなどたくさんあって目移りしてしまう。結局迷いすぎてどれを選んだのか忘れてしまったが、とにかくおいしかった……
しかし、量が、すごい。
多分冗談抜きで、駐屯する米軍やその家族とかに向けたメニューサイズなんだと思う。外国人のお客さんも多かった。
私は同年代女子どころか十代と較べても決して食べる量には引けを取らないと自負しているけどやばい。いやこれまじでやばい。食べても食べても減らない。
「えっメニューに『卵三個を使用したオムレツ』とか書いてあった気がするんですけど!?」
「これ絶対卵三個どころじゃないよ!三個だとしたら、それは鶏の卵じゃないよ!!
なんか二郎とかの大盛りラーメンで、上に載ってる野菜炒め食べてわーおなかいっぱい!ってなったらまだ普通にその下にラーメンが丸々残ってる、みたいなやつ……話には聞いたことあるんだけど…いや食べたことはないんだけど、あれをほうふつとさせます。あと福岡の牧のうどんだっけ、ひつじが言ってた!食べてるうちに麺がつゆを吸ってどんどん増えていくって……。
走馬灯のように「大盛り料理」についての話が頭を駆け巡りながらもなんとか時間をかけて完食。いやおいしかったです。
「やー昔イベントやってた時は一日一食ここで食べるのがすべて、みたいな生活してましたね!」(梓さんは昔YOUが進出する以前沖縄で同人イベント運営に携わっていた)
バイタリティ……。

 

 

マグカップとの大きさの対比で察してほしい

 

ローズガーデンではなんかたくさん普段はしないような話ができて、私はとても楽しかったしうれしかったですね。二人ともそう思ってくれていたらうれしいのですが。
あと、頭上でゆっくり回っている天井扇を見て、
「楊太の部屋のあれになりたい……」みたいな話をしてましたね。(これはいつも通り)
なんだかんだで一生懸命食べたりお茶をしたりしていたら三時ぐらいになってしまい、この後どうする?と二人が聞いてくれたので、お言葉に甘えて「普天間宮」と、
「前回案内してもらったあの……昔の井戸が御嶽になっているところ、あそこにもう一度行ってみたいです」
「あー!松山御殿の」
それは琉球王朝の離宮「松山御殿」で井戸として使われていた湧水地を整備した、鬱蒼と木々が茂る御嶽である。名称としては「指司笠樋川(サシカサヒージャー)(ヒージャー=湧水)」。
御嶽(うたき)というとなじみがない人もいるかもしれないが、沖縄では御嶽と呼ばれている古くからある信仰に根差した聖域が多くあり、土地の人々に大切に守られている。簡単すぎる説明ですみません。
さて足がないナイチャー、今度は梓さんの車に乗せてもらうことにする。
「車これ!乗ってね」
「あっありがとうございます……えっこの、目の覚めるようなブルーの車体が…!?」
梓さんの車は、ロイヤルブルーの存在感あふれるワゴン(クルマに詳しくないので車体名称が違ったらすみません)。
振り返ると沖バナさんの車は、この数日で見慣れた淡い桃色のラパン。
なんだ君ら。
車で楊太しとんのか。
(※二人は今日が初対面)

 

車で少し走ると大通り沿い、すぐに普天間宮に至る。
普天間宮は琉球八社のひとつだが、他の全ての沖縄の土地と同じように、沖縄戦と米軍による土地の接収に耐えてきた歴史がある。かつて那覇から続いていた松並木の参道は、現在すべて基地の中で立ち入ることができない。
というようなことは全く知らなかったが、私は行く道で見かけ、奥の院が裏の鍾乳洞にあると聞いてなんだか行ってみたくなったのでした。実は石垣島で鍾乳洞に行こうとして、アレがアレして行き損ねていたので……。
沖縄では御嶽と同様、神社もとても大切にされている。
掃き清められた神社を参拝して、私たちの他にも何人かいる希望者と共に決められた時間まで待ち、巫女の方に案内されて奥の院の坐す洞窟へ。
正面に小ぢんまりした社があって空間は左右に広がっており、右手に行くと外に抜けられる。
左手は奥に続いており、その先が見えない。
「普天間キャンプの地下まで続いているという話ですよ」
「うおおおおお……」
奥が見えない鍾乳洞ってなんかぞわぞわする(それが魅力)と常々思っていたが、この地の鍾乳洞は一味違う。
あとなぜか手前にネズミ取りが仕掛けられていた。ネズミが!?いるの!?食べるものもなさそうなのに。
お社のあたりは涼しく、普天間で「一番」静かな場所でありました。

 

さて、指司笠樋川へ。
この隣の松山御殿(首里城の離宮)には、昔気の利いたイタリアンを出してくれるレストランがあった。前々回の沖縄行きの時には連れて行ってもらい、庭園を見ながら食事をいただくことができた。(※前回の旅行記参照
この6年の間にお店はつぶれてしまったとのこと。諸行無常だが湧水は尽きない。
ここは御嶽と同様、拝みをする人のために解放されているが、前回も今回も人に会うことはなかった。

 

 

湧水地は整備され、下まで降りていけるようになっている。見上げる緑がうつくしい。

 

さて、梓さんはこれから同居人VANさんの仕事の送迎があるとのことでここの駐車場でお別れ。

名残を惜しむともういい時間だったので、沖バナさんが那覇空港まで載せていってくれるとのこと。
本当に私は沖縄に行くと(沖縄だけじゃないけど)友達にお世話になりっぱなしですね。
うう……ありがとう……。
フライトは20時。空港ではなんかもうおなかもいっぱいで、お店にも入らずにラウンジでしゃべっていた。
しかしこのへんから沖バナさんの元気がだんだんなくなってしょんぼりしてきた。
「大丈夫?なんか具合悪い?」
「うっ違うの別れがさびしくて……」
ええーっごめんよさびしいねえーーー!
再会を約して別れる。
沖バナさんは搭乗ゲートまで見送ってくれました。

沖縄、最終日になってもクソ寒くてやばかったからなのか、あるいはやはり楊戩の呪いなのか、帰ったら二人とも風邪で倒れた……。

 

風邪がようやく治ったので一週間ぐらいして遅ればせながら荷物を整理してたら、沖バナさんのお母様が初日に用意していてくださったいっぱいのお菓子の中から、一つ頂いてきた「くきわかめ」がまだちょっと残っていた。
のでそれを食べながらこれを書きはじめましたが、書き終わる時にはとっくに完食して梅雨がきており、今日はその晴れ間の日が燦々と外にさしております。
くきわかめ大好き。

 

 

石垣島で見かけた親近感を覚える店

石垣島などに行ってきた2019【その3】

3日目 ジェットコースター

 

旅行に行くたびに、
「よーし今回こそは早起きして宿の近くのいいお店を見つけモーニングをしよう」
という野望に満ち溢れるのだが、大体眠気に負けるので実行できるのは三回に一回ぐらいである。
今回は幸いどうにか起きることに成功し、隣の「Blue Cafe」に駆けつけることができた。
観光地価格なのにパンが冷たいのは少々残念だが、種類はいろいろ選べたし、珈琲はさすがにおいしかった。

 

 

食器もちょっとロイヤルコペンハーゲンを思わせる色合いでかわいいですね。

 

さて、今日は早朝から船に乗って、西表島と由布島をちょっぱやで巡る半日ツアーに参加する。
なんでちょっぱやかというと、昨日博物館に行き損ねたからであります。
夕方には飛行機なので、午後は是非ともこれに充てなければいけない。でなければなんのために来たのか……。

さて、なるしまゆりファンの私にとって西表島といえば、原獣文書のモデルでしょ?ぐらいの大自然イメージ。し、新大陸だよ……。
噂のピナイサーラの滝とかは半日ツアーではもちろん行けなかったが、浦内川クルーズだけでも圧巻であり、大陸の巨大な河川を見たことがない私は、河の「質量」をこんなにもずっしりと感じたのは初めてだった。
そこかしこに浮かぶ黄色い葉っぱはなんだろうと思ったら、マングローブが汽水域から吸い上げた塩分を溜めている特別な葉っぱ。塩分が限界になったら河に落ちるそう。

 

 

茫茫とした水面で揺れる様子が、鮮やかで美しい。

 

時折小雨もぱらつく中だったが幸い大降りにはならず、上流部の停泊所からは歩いて蘇芳の巨木を見に行くことができた。
正確にはサキシマスオウノキといって、いわゆる古典に言う蘇芳ではないようだが、染料に使われる点は同じ。
巨木を見るのはなんか、いいですね。
なんとなく巨木と滝は同じ存在感ですね私の中で。
サキシマスオウノキの写真を、ちょうどその前の日に久々にLINEしてくれたこちさんにリアタイで送ったところ、「リボンが巻きついてるみたいでキレイ!」って返ってきた。わー言われてみれば確かにリボンみたいだー。

 


船が着くたびに押し寄せては何やら感心して去っていく観光客たちも、この大木にしてみたらなんやねんって感じだろうなあ。

 

 

同じ河を今度はくだってバスに乗り換え、由布島へ。
由布島は西表島の周囲に点在している小島のひとつで、遠浅の海を水牛車に乗って行くことができる。人間よりも水牛のほうが多い島。

 

それはともかくここまでの旅で知ったが、


「水牛だーーーー!水牛だよはとのさん!!」
 

めちゃくちゃ動物好きだねキミ!?私も好きだけど!!
まあ家を犬さん猫さんうさぎさんアヒルさんワンダーランドにしたいと言っている人だもんな……。(今後アヒルが来れば達成できる模様)
水牛に目を輝かせて大興奮する沖バナさんでしたが、水牛は口蹄疫の予防のため、部外者が撫でるなどの接触を行うことは禁止。
牛さん独特のもったりしたやわらかい表情をしている、このゆっくりした水牛に曳かれる車で海を渡る。

まあ例によってちょっぱやなので、島の滞在時間は三十分ぐらいだけど。

 

 

働く水牛とのんびりした水牛。

 

 

かつてマラリアが猖獗を窮めた西表島を避け、人々が集落をつくっていた島は、現在は水牛と睡蓮の島になっていた。

私にとって西表は「太陽の子」の島でもある、

 

 

「水牛の面倒を見る太公望……」
「イリオモテヤマネコの仔猫とあそんでやる太公望……」
うっかわいい。
いやーでも全体に言えることですが、西表島ももうちょっと時間取りたかったな。
 

未だ三月の光の下で、ここでは田植えが済んでいる

 

さて石垣島に帰る船の中でガン寝し、先にお昼を食べる案も却下して、ようやく我々はやってきた。

 

石垣市立八重山博物館へ。

 

ではここで念のため何故私が、石垣島へ沖バナさんとやってきたのかおさらいしよう。
沖縄文化に興味のある方々は、石敢當というものをご存じかと思う。
沖縄や東シナ海一帯の地域に広くみられる魔除けの石碑で、元は福建省発祥だという。私は台南でも見かけたし、鹿児島やミャンマーにもあるようだ。
この石敢當にまつわる伝説のひとつに、「太公望こと姜大公が人々のために魔除けへと身を変じた」というものがある。
えっ……。
何それ尊すぎない?
そして姜大公の名が彫られた石敢當が、国内では石垣島のこの八重山博物館だけに残っている。
その話を聞いてから、ずっとここに来たかったのだった。
太公望に会うために。

まあ……太公望さんがこんな変質者に会いたくないとしたらその気持ちもわかるんだけどさ……。
(泣きながら無駄になった飛行機のチケットを握りしめる)

 

八重山博物館自体は小ぢんまりとした場所で、展示室も一室のみ。
その分入館料も300円と安価で、気軽に八重山の文化に触れることができる。
そんなに観光客向けらしさはなく、沖バナさんと私が入った時、館内は誰もいなかった。

 

「くくく……さんざん妨害されたがついに来たぞ」
「くくく……ようやくご対面だ……」

(※いくら人がいないとはいえ実際に館内でこんな発言はしていません)

 

それにしても博物館の中で石敢當ひとつ探せるのか?今は展示してなかったらどうしよう……という不安を胸にいざ展示室へ、
入った瞬間入口の脇にその石敢當は鎮座していた。

 

「わーーーーー!すーす!!!!!!!(小声)」

 

それは割と大きく、我々の腰ぐらいまであり、彫られた文字の掠れ方が、歴史の重みを感じさせる。

 

「大公在此」

 

はあ……はあ……。
ここに……太公望が……(いません)

 

えっいや違う。
そんな目で見るな。
我々とて別に石に興奮する変態なわけではないです。いや、紙の絵に興奮している時点であんまり変わらないような気もしてきたんですが、そこには気づかないでほしいですね(やや早口になる)

 

最初に言葉があった、ととある神は言ったが、封神ジャンル者にとっては、最初に殷周革命があった。

この全てに先行するところの、幾重もの歴史の帳に隔てられた史実があり、そこから生まれた殷周革命の伝説があり、数しれぬ道教の神々の信仰の中から小説・封神演義が生まれて、やがて信仰と物語は海を超えた。
そうしてその一つはこの古い魔除けに結実しており、また一つが青森出身の一人の若い漫画屋の手により、「太公望」として生まれたのだ。
これが興奮せずにいられるのか。
(真顔)

 

結果、人がいないことをいいことに、石敢當の前で長いこと立ち尽くす女二人がいた……。

 

どれくらいいたんだっけ?(いまいち記憶がない)
でも八重山の習俗や歴史に関する展示も充実してましたよ!

八重山の婚礼行列の人形。人の葬られる甕。無学なので違いが分からない数々の、たくさんの海を越えてきたであろう古い舟たち。そういえば私は昔柳田国男に著しく傾倒したのに、膨大な著作を時系列順に追って行ったら途中で力尽きて、「海上の道」まで辿りつかなかったという間抜けな経験を思い出すなどする。

しばらくいるうちに我々以外の見学者も増えてきたので、名残を惜しみながら辞することに。

 

お昼は「石垣島ペンギン食堂」という店に行ってみたくて、昨日も今日ものぞいてみたのだが閉まっていた。
代わりに近所のペンギン食堂が経営するお店でお土産買いました。回鍋肉の素とか。
というか今回下調べしたり沖バナさんが下調べしてくれたお店はほとんど行けませんでしたね!(まあ最初に物凄い勢いでスケジュールが狂ったからね)(それでも楽しかったのですごいけど)
というわけで石垣港に一度戻り、港湾ターミナルの中の小さい食堂で食べることにする。


実は私こういうターミナルにある食事処が好きで、というよりもターミナル自体が好きで、なんとなくざわざわした感じがとても楽しい。そう私は金門島で全く用事もないのに、対岸の中国本土・厦門に渡る港を単に見たいからという理由で、炎天下二・五キロ歩いて行った女。
食堂ではマグロ丼と、じーまみー豆腐をチョイスし、沖バナさんは所用で外に。

じーまみー豆腐は沖縄名産の落花生の豆腐みたいなもので、ぷるっぷるのつるっつる。身内はみんなこれを愛している。
したら沖バナさんが爆笑しながら店に戻ってきた。

 

「鳩野さんたいへん!

店のおばちゃんがそこのお土産屋さんで、『じーまみー豆腐ない?今日はもうない!?』って言いながらすごい勢いで探してる!!

 

予想外の事態に私も耐え切れず爆笑。
いやーすごいよこのお店、持ってるよ。なんかそこまでして探してくれたら、もうなくてもいいよじーまみー豆腐。
やがておばちゃんがマグロ丼を持って現れる。
「ごめんなさいね、じーまみー豆腐切らしてました」
「は、はい!」
私たち笑わないように必死だったね……。

 

新鮮なマグロ丼は大変おいしかったです。

 あとなんでもとにかく汁物の代わりにデフォルトで沖縄そばがついてくる。(おいしい)

 

さて、今回の石垣島行のオチは空港で待ち受けていた。
ちなみにTwitterでも書いていない。
石垣空港では大好きな「石垣の塩せんべい」を買ってウキウキだった鳩野さん、グアバのジェラートも食べたし、さて搭乗だと立ち上がった。
その瞬間私は愛用のiPhone6sをぽろっと取り落とし、それは「コーン」みたいな音と共に床におちた。
でも高さはベンチから30センチぐらい、大したことじゃない、音も軽い感じだったし。
「鳩野さんだいじょうぶ?」
「あっだいじょうぶだいじょうぶ……だいじょうぶじゃ……ないかも……」
拾い上げた愛用のiPhone6sは、なんかあんまり見たことのない状態になっていた。
具体的に言うと液晶画面と本体の部分がぱかっと分離していた。
「はえ!?今の!!?なにこれ今のやつで!!!!?」
あんな軽い音だったのに、いや精密機械だし結構古くて今までも修理してるから油断できないのはわかるけど!!!
「えーーーーーー……」
顔を見合わせる沖バナさんと鳩野。
考えていたことはひとつだ。
思えばやはり今回は、最初からおかしかった。
まさかの搭乗予定飛行機を逃す。
車に乗れば表示を見てたのに一通に迷い込んで逆走する羽目になる。
2日目も搭乗口を間違えて直前ダッシュする。
旅行先で財布を忘れる。
そして最後がこれである。

「……楊戩だね」

沖バナさんがぽつりとつぶやいた。

「!?」
「だって太公望はいくらなんでもこんなことしないよ!これ恫喝だよ!早く帰れ的な!!」
「わ、わかるーー!太公望はこんな暴力的な真似しない!楊戩だよ!楊戩さんすいませんもう帰ります!」

半分ぐらい本気で言っていたが、楊戩もいい面の皮である。
いやでもだって…太公望に会いに来てこんな目にあうの…
符合がすぎたよねうちらの中で……。

 

なお、帰り着いてから探したところ沖バナさんの眼鏡がどっかで紛失しており、上記のトラブルは最後のものではなかったことが判明する。
石垣島は……良いところです……。

 


この日はその後も終わらず、那覇についてからもiPhone修理屋さんに連れてってもらったり、国際通りをそぞろ歩いたり、沖縄のデパ地下兼スーパーみたいなところで沖縄県民の普段の生活を拝見したり(めちゃめちゃ楽しかった。知らない魚がたくさん売ってた。市場も好きなんですがまた違った雰囲気がある)と盛りだくさんでしたが、長くなるのでこの辺で。

 

次回、最終日!

 

グアバのジェラート

 

追記。

この三日目って実はなんかものすごく寒くて、石垣でも西表でも終日冷たい風がふきすさんでは大粒の雨が曇った空からばらばらと落ちてくるような天気だったんですが、なんか今になってみると興奮がすごくて全然天気の印象が残ってない。

当日は

「まさか西表島まで来て寒さに震えるとは…」

って言い言いしてたのに…

石垣島などに行ってきた2019【その2】

二日目 拒まれる大地

 

翌日は早起きして今度こそ石垣島へ向かおうと空港へ。
空港への道は不慣れなナビ(私)と道に不慣れなドライバー(沖バナさん)のせいで何回か間違えたけど着いた!

そしたら十分ぐらい前に搭乗口ついたと思ったのに搭乗口のナンバー二人とも間違えて見てて、完全に逆方向で出発間際にめっちゃ歩いたりした。

 

なんかなあ…。うちら多分、微妙にお互いを信頼しすぎやねんなあ……。(深刻な顔)
(どっちも東京行きとか台湾行きで、飛行機にはマジで慣れているはずなのだが……)

 

まあでもバニラエアのかわいい飛行機に無事に乗り、一時間ぐらいで海の真ん中の小さな空港に着く。この日は予報通り曇りだったが、まだ暖かく日が差す時間帯もあった。
石垣島の市街地の中心は、空港からはバスで三十分ほどかかる。
というか私たちこのバスの車窓で、思っていたより石垣島が大きかったことを知ったよね……。
「うおっモスバーガーがある!」
「おおおヴィレッジヴァンガードだ!まさか石垣島にあるなんて!」
石垣島の皆様大変申し訳ございません。
しかしここのヴィレッジヴァンガードは路面店であり、なんか新鮮。

できれば博物館は今日行きたいねーと話し、閉館時間を確認して、ホテルにチェックインして荷物を置いて外に出ました。この時二時前くらい。あちこち商店街のお店を見て回ったけど、ランチを終えて一時閉店してしまった店が多かったため、結局八重山市場の上の食堂に入ることにしたがこれがおいしかったですね。

 

八重山そばとふーちゃんぷるー

 

どうでもいいけど私はものすごくふーちゃんぷるーが好き。
ちゃんぷるーも好きだし麩も好きなので私の好きな要素しかないっていうか、
「これなら太公望も食べられるんだよねー」
「だよねー」
うん。
食べてからタクシーをつかまえて、タクシーの運転手さんに勧められるままに川平湾へ。
ミシュランで☆5だとかいうが、フランス人に評価してもらうにも及ばないぐらい美しい。
川平湾の白い砂浜をたくさん歩いた。楽しかったなー。グラスボートにも乗りました。
あと、沖バナさんが
「鳩野さんにカニを見せるよ!」
って言ってがんばって白い砂を掘ってカニを捕まえようとしてくれてたところ、岩に頭をぶつけるなどのことが起こるなどする……。(かわいそう)
カニは結局いなかったけど、教えてもらってヤドカリとかシャコガイ(岩の合間にぴたっと嵌ってる。すごい)とか見られました。エモい〜〜〜〜〜。

帰りのタクシーの運転手さんにはフルーツジュースの生絞りのお店を教えていただき、せっかくなので連れて行ってもらった。ジュース大好き人間なので大変嬉しかったです。行きの運転手さんには山の名前やサトウキビ工場のことを教えてもらい、帰りの運転手さんは花ガイドが本職なんだよーと言って花の名前をたくさん教えてもらいました。
沖縄のタクシードライバーはみんな話が面白いと岸政彦が書いてたけどまじだなあ。
(十二年前にはじめて一人で沖縄に来て城めぐりをしたときにお世話になったタクシー運ちゃんもすごく面白かった)
そしてタクシーでホテルまで帰ってきて、さーて博物館を見に行こう、と降車しようとした時!
「さ、財布がないよ!?」
「エッエエエエー!?」
なんと沖バナさん、財布を忘れるの巻。
十分ぐらい探しまくった上タクシーの運転手さんが寄ったお店に電話してくれた結果、そこで預かっていてくれていることが判明した……。
だがここまでまた往復したら1時間ぐらい。この後の予定をつぶすしかないのかと悲壮な気持ちでいたら、
「あっ僕取りに行ってきますよ!大丈夫だいじょーぶ」
タクシーの運転手さんがまさかの大サービス。
普通それ、私達がタクシーで戻って取りに行って、その分の料金払うところじゃない!?ええええー!
「いいですよー九時ぐらいにホテルに届けますね!」
良い人過ぎて浄化された……。
めちゃくちゃ頭を下げて別れ、ぼんやりと石垣港へ歩く。
しかしこの騒動で八重山博物館の閉館時間に間に合わなくなったため、結局まだ太公望に会えてない。

 

「あれだよ、多分。もうこれ、太公望に拒まれてる……」

なんだあやつら!来るな!みたいなね」

「そりゃ会いたくないよね……」

多分会いたくない連中12を争う感じだと思う。

(ごめん師叔……)

 

さて、夜はナイトサファリのホタルツアーへ。
今年は寒くてまだあまり見られないと聞いていたが、十分すぎるほど飛んでました!
このときに見ることができたのはヤエヤマヒメボタル。
飛翔力が非常に弱い(雌は飛べない)ということなんですが、マジでその飛び方が
「よちよち…よちよち…」
という感じでなんかかわいい。ゲンジボタルみたいに水の上を滑るようにすーっ、すーっ、と行くわけではない。
あとムササビも見られたし、フクロウの声も聴けて楽しかった。
この時間は結構曇っていて、星空ガイドは受けられませんでした。

 

ホテルに戻るとフロントさんに声をかけられ、なんか分厚い厳重な包みが手渡されてきた。
おや?と思ったら、約束の時間より前なのに、先程の財布を運転手さんが取ってきて預けてくれていたのだった。

「エッエエエエエエエエエエエエエエエー!?」

その分のタクシー代かせめて菓子折りぐらい渡そうと思っていたのに、完全に機先を制された格好である。

なに!?ステルス親切の島なの!?

沖バナさんと二人で人のあたたかさに泣く。

本当にありがとうございました。名刺もらったし、次行ったら絶対指名して呼んでもらう……。

 

 

晩ごはんはやきにくをたべました。ホテルフロントおすすめの「金牛」おいしかった。(石垣島は牛肉も名産でそこら中に牛がいる。金門島を思い出す)

このお店から沖バナさんはドライバーさんに電話してお礼を言ってた

 

輝くような川平湾

 

川平ファーム どちらかがパッションフルーツジュースでどちらかがマンゴージュース。

パッションフルーツジュースはじめてのんだけどめちゃくちゃうまいな。隣はファームの敷地に咲いていた野生の蘭

 

 

永遠が落ちている路地裏