ざっくり青茶

多分これ説明しきれなくて爆死する。
ので可能な限りあっさり説明します。
体感として一番バリエーションに富んでいるのが青茶なんだけど、種類としては本当は緑茶のほうが多いのかな……飲まれてる地域が広いもんな緑茶……。
緑茶は「発酵(酸化)」してないもので、紅茶は「全発酵(酸化)」させたもの。
では青茶は何かというと、青という字は中国語では「黒ずんだ緑」をさしますね。
要するに緑茶と紅茶の中間、「発酵させかけた段階で止めた」ものを全部青茶と呼ぶ。この発酵が1割でも9割でもそうです。
なんで同じ青茶でも、最近流行の発酵が浅い「安渓鉄観音」と、かの有名な東方美人こと「白毫烏龍茶」では、色から味からラムネとコーラぐらい違う。
前者は緑茶の雰囲気を残した清冽さ、後者には紅茶に近い華やかさがあります。
あー、中国茶の中では別格的に日本で有名な「サントリー烏龍茶」も青茶ね。
あれ、日本ではほかのメーカーの烏龍茶飲むと「なんか全然違う」「変な味」って思われたりしたことないですか。私はあります。あの、にっぽんの烏龍とかやばくない?なんでああなったん?あれでイケると誰が思ったん?(話がずれる)まあそれって結局、「烏龍茶」という名前のものが「青茶」と同じぐらい多種多様な茶として展開されてるからですが、一応「烏龍茶」は「青茶」の中に含まれます。定義としては福建省発・今は台湾あたりでよくつくられてる黒ずんだ半発酵茶、ぐらい。
あ、あと、鉄観音と烏龍茶は品種から違います!って話もありますが、私はもう別に分けなくてもいい派ですね。元々は確かに茶樹の品種が違ったりしたわけですが、交配が進みまくってあまり意味がない話になってきている気がします。過去は過去で銘茶と言われる遥か昔に植えられたような現役茶木って、もう種の同定すら危うかったりするらしいし……。
さて日本で青茶をざっくりつかみたいならとりあえず下記の五種を飲んでみて、同じ青茶に分類されるものたちのギャップに打ち震えるところから始めたいところ。

白毫烏龍茶(東方美人)
武威岩茶
鳳凰単叢
金宣茶
梨山烏龍茶

個人的に上から

楊ゼン、
太乙、
妲己、
喜媚、
太公望

って感じ。
それぞれのキーワードは、主張が強い、別の方向から主張が強い、魅惑の香り、狂気のような天然の甘さ、魅入られるような淡さ。あ、楊ゼンは原作後半〜教主なってからは翠峰茶でオナシャス!
もうこれは飲んでみていただくのが一番なので、あまりぐだぐだ書くのはやめておきます。

ざっくり紅茶

ご存じ紅茶。
みんな知ってるように、紅茶っていうのは緑茶と同じお茶の葉っぱからできてます。緑茶を全発酵(酸化)させたのが紅茶ですね。
例外ありきでざっくり全体的な話をすると、中国紅茶は一般的に紅茶と言われて想像するものよりも、苦みや渋みが極端に少ないです。
てゆうかお店とかで飲んで苦い中国紅茶が出てくるとしたら、多分ありえない種類の失敗してる。目玉焼きつくろうとして爆発するレベルの失敗である。
(もしくは紅玉紅茶とかの、アッサム種のやつだと思います)
(あ、でも紅玉紅茶はミルクティーとして飲むにはすごく良い品質の高級なお茶なんですよ!)
……あー、ちなみにあちこちで言われてるけど中国紅茶が「癖がある」って思われてることが多いのは、多分「正山小種(ラプサンスーチョン)」のイメージなのかな?
これは欧米の注文向けに燻香をつけてきつめのスモーキーに仕上げられているので、ほとんど現地で飲まれているものではなかったりする。
ちょっといい感じに入ると香りに花や果実の雰囲気があり、砂糖を入れなくても後味が甘いという、摩訶不思議な代物が一般的な中国紅茶であります。
(つーか元々私が中国茶にたどりついた経緯としても、個人的に甘い飲み物をあまり得意としていないため、砂糖やミルクを入れなくてもいい紅茶を探した結果ここにやってきたという感じ)
あー、中華街とかで一度茶館行ってみたいけど、あんまり特異なものが出て来ても困る……みたいな時は紅茶がいいんじゃないかなあ。
普段飲んでる紅茶とは明らかに違うけど、ダージリンを華やかかつまろやかにしたようなお茶が出てくると思います。
世界的には西洋紅茶(というか…リ○トンとか…)(いやおいしいけどねリプ○ン)に押されて生産量減ってるし、中国は国内需要としてはずっと緑茶がメインなので、本当に厳しいようですが、細々とでも応援したい。
有名なのは先に書いた正山小種(ラプサンスーチョン)。
ここ十年ぐらいで燻香をつけないすっきりしたものも復活した模様。
他によく見かけるのは、雲南紅茶とか蜜香紅茶。あと個人的には宜興紅茶が好きです。

雲南紅茶。
最近では完全に中国紅茶のスタンダードですね。上で書いた「おいしい中国紅茶」の見本みたいな感じ。その名の通り雲南省でつくってます。
ちなみに「雲南紅茶」と呼ばれているものも、広い雲南省のどこで作っているかによって、値段も味も香りも全然変わって来ます。
まあ雲南紅茶に限らずどのお茶も実は安いものはそれ相応なんですが、ここの記事では基本的に「良品」を基準に書くことにしときます。
で、雲南紅茶のさりげなさとかあったかいやさしい感じ、押しつけがましさがないところとかがすごくねーーーー
太公望っぽいと思っちゃうんだよーーーー
よろしくお願いいたします。

蜜香紅茶は、東方美人の紅茶版。
実はこれについてはちゃんと飲んだことがないので「間違いなくおいしいのだろう」ということしか言えない。
(というか東方美人自体発酵度が高くて、色といいかなり紅茶に近いですね。私はあれを紅茶だと思い込んでいて恥をかいたことがあるよ……)

宜興紅茶は宜興という土地で飲まれている紅茶。
この宜興は有名な緑茶があったり、あと焼き物で有名だったりするのですが、実は街中で飲まれているお茶はレストランでもホテルでも一般家庭でも紅茶、という土地柄だという。(勿論ストレート)
日常で市民に受け入れられているだけあり、癖がなく高レベルな安心感を与えてくれるほっとする味。これは以前日本メディアで紹介されたときには、お店でも結構見かけました。(※銘茶の「宜紅」とは別物)こちらのイメージは武吉ちゃんかな。

ざっくり緑茶

というわけで緑茶。
日本ではおなじみですね。摘み立てを即・殺青したお茶です。中国茶も昔は全部これでした。
日本の緑茶は、よく「深蒸し」とか言われるように大抵蒸してつくりますが、中国茶では概ね煎ります。
まあどっちみち加熱しなきゃいけないんですが、なんで加熱するかというと当然水分が残ってると腐るからです。これを殺青と言います。発酵の話はあとでな。
んで、蒸したお茶は味ががっと出るようになるんですよ。
比較すると、煎ったお茶は香りが立ちます。
ほうじ茶をイメージしてもらうといいかもしれないですが、そこまで香ばしくなるほどは煎らないんですが。
結果的に良いところを伸ばそうとして、日本の緑茶と中国の緑茶は、それぞれ
「うまみを味わう」
「香りを楽しむ」
という二極に分かれていった感があります。

中国緑茶は淹れ方がまずいと、ほんと薄くなることが多いです。
というかちゃんと淹れても、いいお茶でも、一煎目はだいぶ薄いものとかがある。
ただ、いい緑茶をきちんと上手い人が淹れた場合、それが「ただの薄いお茶」にならないですね。
なんか「すごくおいしいまろやかなお湯」みたいな感じになります。なんだこれは?みたいな。
それが二、三煎めぐらいに更に「ん?」みたいな、変な多幸感と共にいい香りに包まれるというヤバい体験に変わり、四煎めになるとほぼハイになっています。
この時になると口から出る息もなんかいい香りになってくるので(この現象には中国語で「回香(フイシャン)」という名前がついている)、カフェインハイも相俟って多幸感が大変なことになる。
中国茶にハマる人間は大体これを体験しています。かなり薬物度が高いです。昔、大酒を飲む、っていうのと同じニュアンスで「大茶を飲む」って言葉がありましたけど、意味がよっくわかると思います。

緑茶で手に入りやすい良く聞く銘柄は、龍井茶とか碧螺春とか。
龍井茶のイメージは、たとえるなら飛虎。
人を強制的にハイにさせてくるさわやかさに、どっしりしたボディが根を下ろした旨みは鉄板。全く奇をてらわない、力技の魅力。
一方、「穏やかに見せて香りで殺す」のが碧螺春
惑乱されて「香りに殺されそう」と口走ったのは康熙帝といわれる。
こちらのイメージは…き、姫昌…(夢見すぎでは!!?)
いやーこれ姫昌と飛虎は逆でもいいのかもしれないんですけど私の中の、姫昌像すごいですからね
見つめるだけで女が落ちるし若い頃は見つめるだけで孕ませたしどっかの軍師様なんて一目もくれないままに落としました。
話がずれた。

(ちなみに中国でも宋代ぐらいまでは蒸した製法が主流であり、日本でこっちが残って独自の発展を遂げたらしいんですけど、中国にも一か所だけ蒸して作る緑茶が残っている土地があるんですけどむにゃむにゃ…)
(日本茶も煎ってつくるタイプのものもあるよねー)