フラワーズフロムアルジャーノン(作画/笠井稔)

の感想。
ネタバレについては一切考慮していないので気になる方は回れ右。



簡単なあらすじ。

 突然人が腑抜けになってしまう奇妙な現象が頻発している世界。
 少年ゆにたり君はそれとは無関係に街で見つけた黒髪美少女をストーキング。
 そしたら妙な空間に入ってしまってさあ大変。知りたくもない世界の秘密は明かされるわ変な美少女の下僕にされるわ。
 自分の住む世界が彼女の脳内だけで構築されたバーチャルなものだったと知らされたゆにたり君の明日はどっちだ。

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 本作のためにSQ19をはじめて購入。
 センターカラーのアルジャーノンさんの骨格が見ていると不安定になる。(特に腰ら辺)
あと、煽り文句はちょっと誇大広告じゃないかなあ。確かにフジリュー作品は昔から「あなたのこの世界も神の箱庭ではない証拠はどこにもないのだ」式の問いかけをし続けてるんだけど、少なくとも今作に於いてはそこまでのリアリティがげふん。
 まあ、あらゆる意味で藤崎竜らしさ爆発の短編だったんだけど。
 女性はどこまでも世界の中枢を掌握し、気の弱い普通の男子が翻弄され、比喩対象は意味もなく一コマ使われ(牛)、モブたちは無駄に美形で、とりあえず大統領は出てくるし、そして途中から信者以外は置いてきぼり。そんなところまで踏襲しなくていいのに。
 そういうわけで本当に藤崎竜が原作つけたのだなあとしみじみ確信できる今作、昔からのフジリュー好きにとってのこの作品の面白さは多分、「魂の定義」と「魂だけで活動できる存在の提示」「魂を口から吸うことで嵩上げ」とか。
 仮想人間にさえ魂が宿るという前提はぶっ飛んでいるようだが、私はかねてより藤崎作品を読む時、「人の形をしたものがいずれ感情や魂魄を宿すのは当然でそこに理論などいらない」という独特の感覚を感じるのであります。(参考このへんの前半部分)
 理想を言うなら笠井稔先生が作品として昇華する際に、この特異な観念をある程度読者に受け入れやすいように料理できればよかったと思うんだけども。

 傀儡は結局なんのためのものだったの?アルジャーノンのための乗り物なのにどうして由仁足が最初から入ったの?アルジャーノンのための乗り物にしてもどんな必要があってそこまで頑丈なんだよ!つーかその傀儡関節おかしいぞ。あと由仁足の家族も家も全部アルジャーノンの脳内にあったんだから最後彼は全てを失ったわけだけどその辺どうなの?最後はあのイケメンでちょっとへたれな天才脳科学者のパパに庇護されて生きていくしかないよね、まあ身体はもうちょっとまともなのを貰えそうな気もするけどね、とりあえずホモエンドでも妄想しとくわ。
 等々突っ込みどころは数多く、物語的には正直破綻している。
 娯楽的に面白かったとは言わないが、興味深く読みました。
 絵はやはりとてもうつくしく、パレイドリアのあたりなんかは引き込まれたしね。
 「これ何も原作にしなくても、フジリューが描けばよかったんじゃ…」式の感想を発表当時そこかしこで見かけたが、原作だからこそ藤崎竜らしさ爆発のネタが選ばれたとも思える。
 あとフジリューが描いたら、パパのようなナイスな眼鏡男子は多分いない。
 ふじさきせんせいって多分眼鏡に多分こだわり、ないし。
コメント

続さん、こんにちは。コメントありがとうございます!
そして鳩野がコメント通知に気づかなかったため、返信が物凄く遅くなって本当に申し訳ありませんでした…!!
こちらは凄く変わったお話でしたが、封神を描いた藤崎竜という作家がこういうことを考えているんだ〜と言うのがファンとしてはとても楽しかったです。絵もきれいだし、とぼけた味もあって。
アルジャーノンに花束を、へのオマージュというか正しい意味のインスパイアの結果なのかなと言う感じがしましたね〜。

  • 鳩野まるみ
  • 2015/02/03 23:06

こんばんは。この作品は読んだことが無いのですが、題名からしてもしかしてダニエル・キイスの「アルジャーノンに花束を」を意識した物語なのでしょうか。「アルジャーノンに〜」は無慈悲な現実を生きる主人公のお話でしたけど、「フラワーズフロムアルジャーノン」はかなり奇妙なお話のようですね。

  • 2014/12/03 01:33
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