封神演義外伝 第五話感想

あらすじ。
殺劫の衝動を抑制できなくなった孔宣は半妖態となり、崑崙の道士たちに挑みかかる。
連携して善戦するものの、雉鶏精の時間操作能力に手こずる面々。
太公望(過去)は孔宣の動きを観察し、楊ゼンに策を授けるが……


以下の内容にはネタバレが含まれます。

なんかいい加減、驚愕も麻痺してきた。
アニメ化に乗じた過去コンテンツのリサイクル漫画でここまで本気で面白いものを出してくるとか、藤崎竜は一体何を考えてるんです?
(リメイク作品への偏見をお詫びします)
すごい……。この至福と「終わってしまう」という身を切られるような痛みをただ浴び続けるしかない……。
なおちょっと前から、某おきばなさんに倣い、「未来師叔」を「未来す」「過去師叔」を「過去す」と略しています。

さて第五話。
「ゆくぞ過去のわしらよ!」とか勢い込んで言った未来すが、とりあえず自分は自分のスペースでゴロゴロしているとかいう斜め上の展開。
ニセ師叔!って遠慮なくばっちんばっちん言い立てる天化にも、もちろんのらりくらりとして何にも言い訳しない。

「ホッホッホ」
未来すは 新しい鳴き声をおぼえた!!

あーちょっとストーリーからはそれるんですけど、私はこれ、すごい嬉しくて。
だって普通に考えて十八年も前に完結した話とか、絶対自分で読み返してから「連載中からキャラをずらさないように」注意を払うことが多いんじゃないかなーと思って。
それはそれで誠実さだと思うし、そうやってつくられたからって、別にその作品自体の価値が落ちるわけではない。
でも私は、藤崎竜が「昔の自分をトレースした結果の作品」を生み出すことになるとしたら、それは少しつらいなと思っていた。なんだろ、他の作家だったらそこまで気にならないと思うんですけど、フジリューって職人と芸術家の成分がかなり特異なかんじに拮抗してる部類に入る気がして。
どっちみち非常にまじめな雰囲気もあるので、そういう人にそういうことをしてほしくなかったわけです。ご自身のためにも、もちろん我々読み手のためにも。
だからまあ、勝手な信者の解釈ではあるんですけど、逆にこういう自由さで描かれたものだからこそ、まだ「作者の中でキャラクターが生きてる」証拠のような気がしてさー……。(はからずもあのジャンプ展の色紙でフジリューが書いていたように)
同じ感じで天化の一人称がいっぺん「俺」だったのも気になる人は気になるだろうけど、私的にはフジリューの中で「今書いたらこれが自然」だったんじゃないかなーという感じがするんだよなあ。
てか、外伝始まるちょっと前にフジリューがYJ巻末の「最近理解できなかったものは?」みたいな質問に対して、
「昔の自分の思考回路です」って返答してて滅茶苦茶笑ったんですけど、
「太公望の笑い声はホッホッホだろう普通、何でニョホホにしてたんだ過去の自分」
ってことなんでしょうか藤崎神?
我々には藤崎神の思考回路が理解不能だよ。でも好き……。(瀕死)

「俺の大事な息子」
ああー
あああー
飛虎、行動原理なんか見ても元々何より家族大事な人なんだけど、言葉で言ったことあんまりないじゃないです?
でも確かにこの後物語を通してずっと、天化の傷のことを一番気にし続けたのも実は飛虎であった。
特にこの時は魔礼青にやられてほぼほぼ手足ちぎれてたの見たばかりで記憶が生々しいので、すごい心配なんだろうなあ。

「僕が交代するよ!」
お前接近戦できたんだな!!?
いやまあ、稀にやってるし、あいつ肉弾戦も結構強いとは思ってたよ……。なんせ背後から襲われて回し蹴りで返す男だからね……。(金光聖母戦参照)
とか思ってたら「十合も打ち合ったら三尖刀が折れそうだ」とかいきなり武侠小説みたいな言い回しはじめて全私が爆笑。
ほんとこの人毎回おいしいわ。フジリューの中の楊ゼンが元気そうで何よりです。
てか、楊ゼンが珍しいガチ肉弾戦してんの岩陰から見守る太公望って、シチュエーション自体が超弩級楊太と言っても過言ではないのでは?
まあぶっちゃけ過言だし、「見守る」というよりも「様子を伺う」というほうが正確なのは秘密にしておいて。

「停!!」
過去すは 新しい掛け声を覚えた!

ちなみに「テーン」は、普通にこれ中国語読みですね。
つーかそれトサカだったんだ!?そもそもそれ見てトサカって発想はあまり出てこないのでは!?まあ、雉鶏精というからにはキジ科だからといわれればその通りなんだが……。喜媚ちゃんのトサカはもっと鶏っぽいね。
すげー――――妄想なんですが、この「時をかける」とゆうフジリューオリジナル雉鶏精設定、
「鶏が時をつくる」からの発想なのかなーとか思ってました。鶏が鳴けば開かない関所も開くのだ。

・「なんだこの崑崙山なみに巨大な鳥はっ!?」の太公望の後ろ姿ちっさくてかわいい
・「まだ趙公明を知らない太公望」がおそらく縛竜索かなんかの攻撃受けて「聞仲並だぞ……何者だ!?」って言ってるのが妙に好きである。
この頃の太公望って聞仲を脅威の最たるものとしてずっと動向を気にしていて、こういう細かい言い回しからも非常に「生き生きと」その時代が蘇ってくるのが素晴らしい。
・そういえば喜媚が出てきちゃったらまだスープーと結婚してないことがバレちゃうのでは?とハラハラしていたが、そんな細かい話はしなかったね……。
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